2009年9月23日水曜日

アサイメントとプロジェクト

International study(南アフリカ)の次の日から日本から遊びに来た友人とプラハなどへ遊びにいったりしておりました。噂にたがわず美しい街でした。やはり同じ古さでもUKとは違います。


怒涛の旅行週間が終わり、本業へ復帰。まずは差しあたってはInternational studyの個人レポートを完成させなければなりません。International studyは当地で行ったグループでのプレゼンが60%、残りが個人のレポート+グループメンバーからの作業への貢献度となります。今回のレポートはいつもより少ない2000語、かつ基本的にはグループワークの振り返りのような内容なのですが、逆にいつもと勝手が違うとそれはそれで書きづらいものです。
また、平行してプロジェクト作業も始めています。こちらはいわゆる最終レポートが卒業レポート=修士論文となり、学生がそれぞれ個人でプロジェクトを行います。私はスポンサーが自分の学校であるAshridgeなので、物理的には非常に楽です。プロジェクトは各々がスポンサーと面接し、興味あるプロジェクトを任せてもらえるようアピールしてきました。大体6月ころから本格的に作業を始めた人が多いように思います。私は今後イギリス/ヨーロッパ、日本のいずれでも働くときのために、何とかこちらの企業からプロジェクトがほしいと思っていました。日本のコネを使えば多少は楽だったかもしれませんし、一時はそうしてしまおうか、とも思ったのですが、運良く自分の学校とは言え、こちらの企業のプロジェクトをゲットできました。内容は詳しくかけませんが、学校のある施設の価値創造のため、新しいIT技術を使うなりしてソリューションを提案、というものです。さすがに卒業論文ですので、それなりの文献調査と深い解析が求められます。「こんなに英語文献を読むのか」と思うと、いやー今からもう憂鬱です(笑)
プロジェクトにはスーパーバイザーが個人個人に割り当てられ、私にはIT系のマーケティングを担当するDr が割り当てられました。結構細かくコメントをくれるので、少しずつですが全体が把握できてきたように思います。というのも、本文の10000語にその2倍くらいのAppendixが付く大量の論文をどう構成するべきなのか、というところから私の場合始まってるので...
今、対象となる文献をリストアップしようとしており、またインタビューやアンケート調査を行う必要もあるので、その質問事項の下書きを作って、できるだけ早いうちにマーケ/リサーチ担当の講師に相談したいと思っています。

2009年9月12日土曜日

南アフリカ その4 Townshipとサファリ (終わり)

プレゼン準備の合間を縫って、いわゆる貧困層のすむ地域へ行きました。個人で託児所を開設している女性、B&Bを経営している女性と、貧困であっても起業家精神を発揮し、周りの同じく貧困の人たちにも影響を与えている人たちです。住民は皆黒人のようです。

偶然Townshipを訪問した夜、現地MBAの講師宅に招かれ、そこで夕食を頂きながらプレゼンの準備をしたのですが(参加者全員招待です)、ここは平屋で5LDK+1、リビングにはこれまで見た中で一番大きなホームシアタースクリーンがありました(奥さんは”大きすぎて見てると気分が悪くなる”と言ってました)。周りにも同じような家が立ち並び、日本でいうところの世田谷のベッドタウンという感じでしょうか?おそらく大多数か全員が白人居住者と思われます。昼間の街と対照的でした。
最終日はアフリカの動物が見られるサファリ施設へ行きました。これはオプショナルなので、私を含め6名の参加。6時に出発して、8時過ぎに現地へ着き、朝ごはんをたべてツアーへ出発。トヨタの屋根つき、でもサイドガラスなしのジープに乗っていきます。ちなみに、アフリカではトヨタが工場を他に先駆けて作って現地生産していることから、多くの車がトヨタ車です。
バッファロー、ヒョウ、ちらっとライオン、キリン、しまうま、あと名前のわからない鹿の小さいような動物、サイ、カバ、ゾウが見られました。特にゾウは兄弟がじゃれあってるところ(見た目にはケンカしてるみたい)が見られておもしろかったです。ライオンは24時間のうち20時間は何もせず寝そべっているので、遠めにちらっとのらりくらり歩いているのが見えただけでした。


そんなこんなで南ア旅行も終わり。ケープタウンは来る前には想定していなかった美しい街でした。改めてクラスの人ともいろいろな話ができ、親交できたような気もします。

南アフリカ その3

今回のメインイベント、プロジェクトのスタートです。今回は3つあるプロジェクトから希望のものを申請できます。ひとつが南アでもデパートに当たる小売業、二つ目が現地のワイナリー、三つ目が印刷会社です。私は1.メンバー、2.プロジェクトの優先順位で選びました(笑)。ですが、私の選んだプロジェクトは印刷会社で、ただし以前CSRの時に行った印刷会社とは別で、南アフリカで一番大きな印刷会社(当事者談)で、工場もなかなか大きなものでした。ここでの問題は「コミュニケーション」ということで、内容も前回までの戦略的なアイデアというよりは、初めて「人」に焦点をあてたものになります。
最初は午前中先方の会社のディレクターから概要と彼の感じている問題について話をきき、工場見学。さらに午後からはそのディレクターに頼んで9人の従業人に個別にインタビューをしました。その結果印象的だったのが、ハッピーな人は「昇進できた」、「異動が叶った」という、積極的にアピールした結果、個人的に得られた結果に対しての満足感であり、そうではないどちらかというと日本人的なアピール下手な人は不幸である、ということでした。つまり、個人的にはいいと感じる人はいるものの、必ずしもそこの”従業員”として満足しているわけではない、ということです。社内で交わされる情報はトップダウンですが、ただトップダウン自体が悪いこととは個人的には思っていません。この会社の場合は、トップダウンで命令がきても”なぜそうするのか”、”その結果何が得られるのか”が説明されていないということです。これがないと、働く人は理由を見出せず、またより良い提案が現場からあげられる機会を失ってしまいます。
提案内容は、もっとコミュニケーションを上下で行き来できるようなアイデアが中心となりましたが、今回良かったことは、一応何が問題か、を話す上でモデルやフレームワークを確認してアイデア出しをしたので、一応 1.解析 2.その結果現状と理想の状態を埋めるためのアイデア出し、という順番で話ができたように思います。とはいえ、時間も短かかったため、プレゼンを作りながらアイデアを吟味という形になりました。結果として、そうそうスムーズに行かないのがグループワークです。ですが、話し合い自体はまあまあだったかと思います。前日は12時半までかかり何とかプレゼンを仕上げ、翌朝7時からプレゼンの練習。8時から最初のグループの小売業へのプレゼン、9時から我々のグループのプレゼンでした。結果として、引率の講師は満足したようでした。一応「Ashridgeの評判を落とすことなく、Excellent」とのことでした。ただ、皆がクライアントだけに話しかけたような姿勢をとったため、「他にも聞いている人がいることを忘れないように」と言われました。我々のグループへの個別フィードバックは「コミュニケーションをとる方法論の提案が良かった」とのこですが、実際の評価点はどうなることやらドキドキです。半分観光といいながら、ちゃんとこのプレゼンと、各自がグループメンバーへのフィードバックとして点数をつけ、さらに個人の課題提出も今月末にあり、これらの総合点でInternational study weekの評価点が付与されます。

南アフリカ その2

そもそもInternational study weekって何?と思われる方も多いかと思いますが、半分以上は観光でした(笑) 日曜日にはテーブル・マウンテンの名のように、頂上がテーブルのように平らな山へケーブルカーで登り、絶景を楽しみました。ケープタウンはアフリカ大陸のほぼ南先端部分にあたるので、海に近く、また山も連なっているので、海のそばに雲がかかる山を見下ろす景色が眺められる、というテーブル・マウンテンは人気スポットのようです。


午後からはマンデラ元大統領も投獄されていたロビン島へ行きました。ここでは当時元囚人として不当に囚われていた方がガイドとして当時の刑務所施設を案内してくれます。ロビン島自体はその後世界遺産にも登録された美しい島です。写真はマンデラ元大統領の房だったところです。

我々のMBAグループには2名のアフリカ出身の学生がいますが、やはり彼らにとっては南アフリカのみならずアフリカ全体これから発展できるのか?が非常に関心のあるところのようで、彼らのいろいろなものに対する視線が印象的でした。二人ともイギリスやアメリカに10代のうちに渡り、今は欧米人として生活していますが、今回そのうちの一人といろいろ話をしたところ、16歳で一人家族を離れてヨーロッパへ渡り生活していた、家族はまだアフリカに住むが地理的に難しいこともあり(おそらく政治的な不安定さもあるかと思います)、3年とか5年に一度しか会えない...ということでした。二人とも底抜けに明るくて、パーティ好きなのですが、強い人なんだなあと改めて感じました。アフリカが世界GDPに占める割合は(確か)2.6%のみで、これからBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)のような急成長新興国の仲間入りが果たしてできるかが課題のようです。
今回はケープタウンのMBAスクールの受け入れがあり実現したもので、現地MBA講師による南アについての経済、文化、起業、流通、交通などの講義もありました。現地の英語に苦労した私が評価するのもなんですが、まあまあだっと思います。ただ、引率講師や他の学生には今ひとつ人気がありませんでした。
今回、気になっていた質問を、受け入れ側のMBAスクールの講師(白人)と話す機会があったので聞いてみました。それは「94年(アパルトヘイト廃止と民主化)のとき、どう感じたか」。
答えは「positive」でした。でも「ポジティブでなきゃいけなかった、いや、ポジティブだった」とも言ってました。また、その講師の奥さんの親友は黒人女性だし、自分たちには人種的なわだかまりはないというようなことも言っていました。ただ、講師も言っていましたが、未だ南アの世間ではその実情が追いついていません。講師いわく「ここのMBAの講師を皆見たと思うけど、全部白人だし、南アはまだまだだ」と。特にアカデミックな世界においては経験と、子供のころからの教育が大きく影響しますから、15年ではなかなか解消しないかもしれません。ですが、街を歩いても肌の色の違う人同士というのはまず見かけません。まだまだ一般市民レベルでの生活レベルに差がありすぎて、日常お互いが関わる機会が少ないのだと思います。一端差ができると、特に人種間で生活レベルの差がつくと、同じ国にいながらそれを解消するのはとても難しいのだなあと改めて感じました。この差解消のためには、個人的な意見ですが、やはり政府が多少不公平であっても、制度としてその溝を埋めるためのシステムを作る必要があるように思います。気持ちの面で白人に不公平感が生まれるかもしれませんが(現にすでにあるかもしれませんが...)どこかで帳尻を合わせる必要があるのではないかと思います。

南アフリカ その1

8月29日から9月6日まで、International study weekとして南アフリカのケープタウンに行きました。
29日夜の便にクラスほぼ全員+3人の引率者(エコノミークラスに)のり、約10時間かけて翌朝到着。お昼すぎから観光、いえいえ、勉強となりました。まずはワイナリーに行き、そこでお昼を食べたあと、オーガニック+CSRを意識したワイナリーの敷地を周り、ワインの試飲。私はあまりお酒が得意ではないのですが、なかなかおいしかったです。

ちなみに、その後スーパーに寄ったクラスメートの話によると、スーパーではワイナリーの倍の値段がついてたとか。
ここで印象深かったのはCSRのワイナリーでなく、人の話でした。ご存知のように、南アフリカでは90年代初期までアパルトヘイト制度が敷かれ、人種差別が行われていました。空港からホテルに向かう途中も黒人が住む非常に貧しい、かろうじて「家」と呼べるところがあり、今回も個人的な南アフリカの興味は過去の人種差別が今どこまで本当に解消されているか、でした。法的なシステムでは平等でも、実際このような差別というのはなかなかなくならないことはアメリカなどの例ですでに実証済みです。
ここのワイナリーで、試飲の説明をしてくれたのは、黒人の男性でした。彼はアジアの血も引いているとのことで、感じとしてはタイガーウッズ?でしょうか。彼はワイナリーの主人(白人)から全幅の信頼を得ているようで、そこのワイン紹介のために世界を飛び回っている様子が壁の新聞の切り抜きにも現れていました。ワイナリーの主人がいうのは「かつて黒人の従業員は家もなく、仕事の選択もほとんどできなかった。今ではここで働く黒人従業員も家を持ち、その家族も含め自分の好きな仕事をしている」とのこと。いい経営者だなと思う反面、生活はやはりまだ向上中、という感じもしました。
その日の夜は、疲れてるしゆっくり寝よう...と思いきや、クラスメートの誘いにNOと言えず、ケープタウンの街へ繰り出すこととなりました。