2009年6月6日土曜日

Organisational Lifecycle

昨日で、タイトルにある"Organisational Lifecycle"の2週間のモジュールが終わりました。
長くなりますが、ここでモジュールの内容を復習がてら整理したいと思います。

初日には、まずそもそもLifecycleとは何か?何を考える必要があるのか?という、序章的な始まりでしたが、意外にこれがおもしろかったです。Lifecycleですから、会社が立ち上がり、成長期に入り、成熟期へ...という一般的なLifecycleであることに変わりはないのですが、ここで紹介された過程には、”企業の中がどのような状態にあるのか”に注目したものとなっていました。Phase1のスタートアップ: Courtship(求愛期間- Baby:企業として知ってもらい、重用されたいと振る舞う), Infancy(成長初期:企業として機能するようになる、というところでしょうか), Phase2の成長期: Go-Go(イケイケ、成長が最も早い), Adolescence(青春期、失敗しながらも成長するが、社内紛争の起きやすい時でもあり、この時点で会社を売却したり、経営者自身が辞めさせられることもある), Prime(一番の成長期、トップに立つ一歩手前), Stable(Lifecycleの山の頂点、いい意味でも悪い意味でも現状維持するようになる), Aristocracy(エリート層、ステータスを得た状況でしょうか、しかしすでにLifecycleの山でいうと、下降地点で、イノベーションを失い、シェアを落とし始める地点),Phase3の凋落&再生期:Recrimination(非難、けんか...犯人探しが始まり、リストラなどが起こる), Bureaucracy(官僚的、組織病、企業への愛着も失せる), そしてついにDeath(死)です。
特に、成長期には先の予測が難し分、フレキシブルであり、予測の効く成熟期にはフレキシビリティに欠ける、という相反関係があり、この成長期から成熟期の交差点がPrimeである、というのが印象的でした。Deathのところで、先日破綻したGMの話題になりました。このクラスの時点ではChapter11の発行される数日前でしたが、特に私は下降期のGMしか知りませんし、おそらく青春を謳歌したであろうGrowthの時代さえも将来に向けた準備や企業のおごりの原因となった時代として非難されています。実際に、企業が成長し続けるには下降しはじめてから対策を練るのでは遅く、Primeの時代に成長の速度が落ちてきたことを自覚し、さらに成長するためには/もしくは積極的現状維持を行うためには...という策を練る必要があるのだ、というのも納得しました。ここで、イギリスの古い旅行会社であるトーマスクックの短いケースを題材にしたのですが、この会社の場合、経営者が変わるたびにこのLifecycleの山のアップダウンを繰り返しています。このアップダウンを繰り返す企業と、成長カーブを維持し続ける会社との違いを学ぶ必要がある、ということでした。
このモジュールの特徴として、イギリスの老舗小売、Marks&SpencerのLifecycleを学ぶ、というものがあります。グループごとに、Startup, Growth, Maturityの時期に起こった決断とその影響をまとめて発表するのですが、個人的には「プレゼンの準備」が先に立ってしまい、Lifecycleを学ぶという姿勢に欠けていた、と反省しています。ただ、時間が非常に限られ、休み時間や授業の後行うのには他のグループメンバーとの温度差が気になったことのあり、難しかったということも原因としてあります。

二日目はStrategyから見たLifecycle管理。ここでBottom lineに対する言葉としてTop-lineというのを初めて知りました。Bottom-lineはProfitをbottomとして、それ以上の収益をあげようとするために用いますが、Top-lineは売上を基準にすることだそうです。確かに、業界によってはTop-lineを一番気にするところもあるでしょうから、なるほど、と思いました(知っている方には当たり前でしょうが...)。ここで学んだMatrixはAnsoff matrix. 既存マーケット有無、製品の有無をマトリックス化することにより、ポジションを認識し、戦略を立てるために使うものです。かなり古いモデル(1940−50年代?)らしいですが、M&Aやアウトソースなど企業の成長戦略においてオプションが増えた現代にもあてはまるものです。ここで、講師から注意として与えられたのが優先順位。Protect, Penetrate, Extend, Diversityの順に考えること。なぜなら、Diversityへ向かうごとにリスクが大きいからだそうです。確かにDiversityは市場/ビジネスの再定義を提案するものですから、失敗する可能性も高いと言えましょう。
いくつか他にもフレームワークや理論をやったのですが、もう一つ大きいものがブルー・オーシャン理論。近年有名ですが、私から見ると訴えている概念は至極「あたりまえ」。新しい価値を提唱することで新たな競争のない市場を作る...ということですが、言い換えれば必ずしも今必要でないところに利便性などの新たな価値を提唱し、新たな欲求-->必然性へと誘導することだと思います。これって、意識してないことはあっても昔から見られたことです。おそらくブルー・オーシャンはValue Curbなどのツールを用いることでこれまで抽象的に語られたきたことを事象化した、ということかと思います。ここで大事なこととしてはValue Propositionのために既存のサービス、製品からReduce, Create, Eliminate, Raiseする、ということです。全てを勝ち取ろうとすることでなく、特異な差別化製品、サービスを作ることでブルー・オーシャンを築く。このValue Curbは実際にその後のMarks&SpencerのLifecycle分析に使用しましたが、ウケも良かったです。
また、実際にVentureの立ち上げをしようとした、という講師による企業立ち上げ、成長まで持っていくための概論的な講義もありました。私自身があまり起業自体に興味がないこともありますが、正直あまり得るところは少なかったような気がします。大きい話題でありながら、Lifecycleの一環としての話だったため、時間も短かったということがあるかと思いますが。ただ、ここでなるほど、と思ったのが「いいアイデアだからといって成功するとは限らない」です。これは経営者の能力だけでなく、その時代にあったものでないとダメだ、ということ。インターネット時代の初期のころ、斬新なネット販売サイトを立ち上げたベンチャーがその例でしたが、「ネットでものを買う」ということにまだ慣れていない、またセキュリティの問題もありうまくいかなかったようです。自分も「いいアイデアだ!」と思ってしまうと、周りの状況、環境を現実以上に好意的に判断してしまうところがあるので、身につまされる思いでした。
まだ二日目までしか終わってませんが、長くなってしまったのでこの辺で。

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